【窪田剛の注目株】力強さに支えられた12月相場。休息のAI半導体、盛り上がる銀行株、そして新たに生まれたキーワードとは?


2025年12月相場を振り返って

全体感は落ち着いた一か月でした。年末に向けて大きな盛り上がりはなく、大きく崩れることもなく、不気味というと語弊がありますが、ふつふつとした力強さに支えられて5万円台を保った月となりました。

指数11月終値12月終値騰落率
日経平均株価50,253円50,339円+0.17%
グロース250指数699ポイント675ポイント-3.40%
ダウ平均株価47,716ドル48,367ドル+1.36%

12月相場で上がった株・下がった株

そんな2025年12月の株式相場を売買代金と値上がり率・値下がり率のランキングで振り返ってみたいと思います(太字はピックアップ銘柄/データ提供:カブケーションズ

・2025年12月の売買代金トップ20

コード銘柄売買代金
19984ソフトバンクグループ8.24兆円
2285Aキオクシアホールディングス7.45兆円
35803フジクラ3.17兆円
46857アドバンテスト3.08兆円
56920レーザーテック2.70兆円
68306三菱UFJフィナンシャル・グループ2.24兆円
76146ディスコ2.19兆円
88035東京エレクトロン1.68兆円
97011三菱重工業1.55兆円
108316三井住友フィナンシャルグループ1.44兆円
117203トヨタ自動車1.39兆円
127974任天堂1.33兆円
139501東京電力ホールディングス1.3兆円
148136サンリオ1.17兆円
156954ファナック1.11兆円
165802住友電気工業1.02兆円
176758ソニーグループ1.01兆円
188411みずほフィナンシャルグループ9840億円
196501日立製作所9270億円
209983ファーストリテイリング9042億円

・2025年12月の値上がり率トップ20

コード銘柄値上がり率
13902メディカル・データ・ビジョン+246.6%
26433ヒーハイスト+176.3%
37138TORICO+134.6%
43444菊池製作所+111.9%
55817JMACS+108.6%
66629テクノホライゾン+101.0%
74199ワンダープラネット+84.3%
85721エス・サイエンス+79.8%
98995誠建設工業+79.1%
104664RSC+75.9%
116217津田駒工業+75.1%
123541農業総合研究所+66.3%
131948弘電社+63.9%
14280ATMH+61.7%
154572カルナバイオサイエンス+56.1%
164516日本新薬+55.5%
173656KLab+51.2%
186197ソラスト+50.8%
192437Shinwa Wise Holdings+50.7%
206734ニューテック+44.9%

・2025年12月の値下がり率トップ20

コード銘柄値下がり率
12743ピクセルカンパニーズ-84.6%
23261グランディーズ-50.5%
33856Abalance-48.3%
44593ヘリオス-43.5%
58105Bitcoin Japan-42.1%
65134POPER-41.8%
74570免疫生物研究所-39.2%
83189ANAPホールディングス-37.5%
93719AIストーム-36.9%
104889レナサイエンス-36.2%
114424Amazia-35.6%
12278ATerra Drone-32.8%
136619ダブル・スコープ-30.5%
144074ラキール-28.7%
159399ビート・ホールディングス・リミテッド-28.5%
164882ペルセウスプロテオミクス-28.2%
177815東京ボード工業-28.0%
189235売れるネット広告社グループ-27.7%
192901ウェルディッシュ-27.5%
206085アーキテクツ・スタジオ・ジャパン-26.4%

12月相場でプロが気になった銘柄

このランキングの中から、私・窪田が気になった銘柄をピックアップします。

休息のAI半導体。その中にある違和感

売買代金ランキング  *()は11月
【第1位】ソフトバンクグループ<9984> ・・・・・・・・・ 8.24兆円(8.29兆円)
【第2位】キオクシアホールディングス<285A> ・・・ 7.54兆円(7.80兆円)
【第3位】フジクラ<5803> ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3.17兆円(5.34兆円)
【第4位】アドバンテスト<6857> ・・・・・・・・・・・・・・・ 3.08兆円(4.52兆円)
【第5位】レーザーテック<6920> ・・・・・・・・・・・・・・・ 2.70兆円(3.05兆円)
【第7位】ディスコ<6146> ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2.19兆円(2.17兆円)
【第8位】東京エレクトロン<8035> ・・・・・・・・・・・・・ 1.68兆円(1.99兆円)
【第16位】住友電気工業<5802> ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.02兆円(9903億円)
【第19位】日立製作所<6501> ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9270億円(1.37兆円)

上位20銘柄中、9銘柄のランクインとなった生成AI関連ですが、勢いが保たれているわけでも、落ちているわけでもないと考えています。大きく盛り上がった期間が続きましたが、年末という特殊要因(国内・海外投資家が休みに入るため積極的に買われにくい)もあり、次への飛躍を感じさせる「しっかりとした調整、休息」という感じを受けました。

少し気になるのは、「電線三兄弟」(古河電気工業<5801>、フジクラ<5803>)の住友電気工業<5802>がランク外からランクインしていることです。

ほとんどの銘柄は先月(11月)から売買代金を減らしているのですが、この銘柄は先月9903億円で25位だったところから、売買代金も順位も上げてきています。チャートでは特段の強さは見られませんが「相対的な強さ」を感じます。今はまだこの事実だけの「違和感」ですが「何かあるかもしれないな?」という感じがあります。

「上位の銘柄はほぼ売買代金を減らしているのに、これだけ増えている」

この先に何があるのか。今はまだ「違和感」だけですが、何もないなら、それはそれ。何かあるのであれば、その兆しとしての「何か」なんだと思います。この「違和感」を大事に、次に生かしていきたいと思います。

何かあってほしい! けれど、十中八九、なにもないんですけどね、マーケットなんて。

ついに来た! 金利だ金利!

売買代金ランキング
【第6位】三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306> ・・・ 2.24兆円
【第10位】三井住友フィナンシャルグループ<8316> ・・・・・・・ 1.44兆円
【第18位】みずほフィナンシャルグループ<8411> ・・・・・・・・・ 9840億円

30年ぶりの政策金利0.75%!!! これがどれだけインパクトを与えるか!!!

いま、新卒で会社に入って10年たった方って、「金利を知らない世代」なんですよ。すごいことですよね。ただ、この金利でもまだマーケットは「円安」で反応しました。要は「もっと金利上げろ」ということだと私は判断しています。現時点でアメリカは3.75%、欧州は2.15%です。せめて1.5%くらいは……というとことなのでしょう。

難しい話は置いておいて、私たちトレーダーが気にすべきは、「銀行株アツい」ということです。

売買代金があまり大きくないのと、値動きが派手ではないので地味なのですが、ここで取り上げたメガバンクだけでなく、日本中にある「地銀」がグググッと来ています。30年間、辛酸をなめてきたが、ここからやっと攻めるぜ! という段階になってきたんじゃないか、ということがチャートから読み取れます(気のせいかもしれない)。

もちろん、人口減少や地域経済の縮小などの向かい風もあるし、金利が少しあるくらいでは解決できない問題も山積しています。でも、だからこそ、息の長い、ゆっくりと、だが力強い、ポジティブな流れが来ている……“気がします”。

派手な、わかりやすい動きではないですし、銀行といってもたくさんの銘柄があるので玉石混交ではあるのですが、この波の始まりをぜひみなさんと共有しておきたいと思っています。

メガバンクもいいですが、あなたの地元の地銀、あなたの住む地域周辺の地銀の株価を、ぜひチェックしてみてください。普段の生活でよく看板を目にする、そんな些細なきっかけかもしれませんが、そういったところから始まる物語もあると思います。

新しいキーワードで2026年を駆ける

今月は比較的ゆったりとした、動きがあまりない一か月でした。

ただ、新しく生まれたキーワードあります。その銘柄たちは、午年の2026年に“駆け上がる”かもしれません。

「え? それは何かって?」

実は、今月のランキング(売買代金、値上がり率、値下がり率のトップ20)には入っていないんです。でも、いい感じのチャートを形成しつつあります。

日々マーケットを見ている方であれば、このキーワードを聞けば「ああ、たしかに!」と思うはずです。実際に、生成AIからの流れとしても当てはまると考えています。

それは何かというと……年末のコラムで引っ張っても仕方ないですね(福笑)。

今月になって突如として生まれたキーワード、それは「フィジカルAI」です。銘柄としてはファナック<6954>と安川電機<6506>。他にもあるのですが、まずはこの2銘柄を押さえておけば、来年のスタートダッシュはまずまずなんじゃないでしょうか。

(もちろん自己責任で。私自身も半信半疑ではあるけれど、流れが生まれたよ、たぶん……という程度でお伝えしています)

新しく生まれたこのキーワードが注目され続けるのか、それとも、消費されて終わってしまうのか。それはわかりません。でも、マーケットで注目すべきことのうちの大きな一角は占めていると感じます。

マーケットを、私の目線で

さて。

2025年、日経平均株価5万円突破、素敵な出来事でした。大きな流れとしては、株価は調整を挟みつつも、このまま上昇を続けると考えています。2026年も、このコラムではこんな感じで緩く、日々マーケットと向き合っている私が、私の目線で伝えられることを伝えていこうと思います。

みなさま、よいお年をお迎えください。
(年明け読む方は「あけましておめでとうございます!」)

2025年大晦日。
雪を眺めながら。

窪田

株の学校ドットコムの無料メール講座に登録すると、窪田先生が実際のトレードで活用している「銘柄選びの3つのポイント」を解説した電子書籍を無料でプレゼントいたします。

なぜ、プロのトレーダーは「明日上がる銘柄」がわかるのか?

世間ではあまり語られることのない「銘柄選びの真実」を学んで、あなたも勝てるトレーダーの仲間入りを果たしてください。

窪田 剛

本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格など投資の最終決定は、ご自身のご判断で行っていただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証するものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等にはお答えいたしかねますので、予めご了承くださいますようお願い申し上げます。また、本コンテンツの記載内容は予告なく変更することがあります。