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はじめに

2013年5月23日木曜日、朝から堅調に推移していた株価が午前11時ころから急落しました。明けて翌金曜日も株価は乱高下を続け、株式の暴落・乱高下が2日続けてトップニュースの扱いでした。

こういった状況で我々個人はどのような対応をすべきなのでしょうか。

それは、「投資をするのか」「トレードをするのか」によって変わってきます。

「投資とトレードの違い」について詳しく知りたい方は別途レポートがあるのでこちらからご覧ください。

>>> 「投資とトレードの違い」についてのレポートはこちら

とはいえ、投資とトレードの違いが全く分かっていないとボラティリティー(変動率)の大きいマーケット状況では大きな損失を抱えてしまう可能性もあるので、ここでは重要なポイントだけ書いておきます。

投資とトレードの違い

「投資」とは企業価値に対して株価が割安だと判断した時に株式を買うことです。

「トレード」とは株価の値動きに対して資金を投じることです。買った値段よりも高い値段で売る、売った値段より安い値段で買い戻す事を目的とした取引のことです。

投資の場合も、もちろん買った値段より高く売ることが目的なのですが、企業の成長に合わせて株式価値が殖えていくため、「その企業が成長するのか」「現在の価格は割安なのか」が重要になってきます。

トレードの場合は、取引対象の株式が企業価値に比べて割安かどうかは必ずしも重要ではなく、株価がどの方向に動いていくのか?を判断することが重要です。

暴落はチャンス!?

さて、5月23日から24日にかけて、日経平均が約16,000円から一時14,000円を割り込む価格まで下落しました。

暴落は、投資にとってはチャンスでしょうか。
それとも、トレードにとってチャンスなのでしょうか。

投資とトレードの違いをきちんと理解し、うまく立ち回れる人にとっては、投資でもトレードでも両方ともチャンスになり得ます。逆に違いをきちんと理解していないとピンチになります。

なぜ、チャンスなのか。

投資をするのであれば、株価が大きく下落して割高感が解消されてきているわけですから、今までよりも安く買うことができます。ゆえに、今回の様な暴落はチャンスとなります。

ただし、暴落がチャンスであるためには重要な前提があります。

それは、企業の価値に変化が無ければ、という事です。

企業価値が不変なのにも関わらず株価が下がったのであれば、割安に買うチャンス到来ですが、株式価値も下落しているのであれば、チャンスでも何でもありません。

例えば、リーマンショックの時も株価は暴落した訳ですが、あの時は明らかに経済の状況や企業の価値に変化がありました。企業価値に変化があれば、妥当な株価も当然異なって来ます。当時、企業価値をきちんと分析、把握して大きく投資したアメリカのウォーレン・バフェットはその後大きく利益を上げたわけですが、きちんと企業価値を分析できなかった人やトレードとの区別がつかなかった人は、翌年の3月にかけての更なる株価の下落により大きな損失を出してしまいました。

では、今回(2013.5.23)の下落はどうでしょうか?

株価急落の原因として、中国の経済指標(PMI)が悪かったからとか、バーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長の議会証言の内容から、FRBが金融緩和(QE3)の解除に向けて予想より早く動き出す可能性が出て来たからなどと言われていますが、前者は以前から分かっていた事であり、後者は可能性の話が出て来た段階です。暴落前に比べて、企業価値が大きく変化したという事実は認められません。

企業価値が不変なのに、株価だけが大きく下落したのですから、銘柄をきちんと選ぶ必要はありますが、今回の暴落は投資をするチャンスだと言えるでしょう。ただし、まだ暴落している最中ですので慌てて買う必要は無く、じっくりと銘柄の選択をしながら基本的には買いのスタンスで対応していけば良いと思います。

もちろん、注意点もあります。一番注意すべきなのは、「為替」です。1ドル100円、1ユーロ130円の水準から大きく円高に振れる様な事があれば、輸出企業を中心に影響が出て収益に影響を及ぼすため、「企業価値の変化」が起きたという認識が必要です。

暴落はトレードのチャンス!

投資のチャンスと成り得る今回の株価の暴落ですが、トレードの場合もチャンスと成り得ます。

なぜなら、「トレード」とは株価の値動きに対して資金を投じることだからです。上昇でも下落でも、株価が動けば利益を出すことができるのです。それも株価の動きが大きければ大きいほど、利益も大きくなります。

ただし、これだけ大きな株価の急落が起きたのですから、トレンドの変化を見定める事が重要です。また、臨機応変に相場に対応できる力やロスカットをきちんと出来ることが大前提です。ですが、こういった暴落は初心者にとっては大きなピンチである反面、きちんとトレードを学び、それに基づきトレードを実践しているトレーダーにとっては大きなチャンスになるのです。

昨年の11月以来、株価の上昇トレンドが続く中で、買いでエントリーするトレードを続けて来た人は、大抵の場合利益を出せた場合が多いと思います。

しかし、今回の株価の暴落で今までの利益を吐き出して、それ以上の損失を被ってしまった人もいるかもしれません。

ですが、先ほども書いた通り、投資家にとってもトレーダーにとっても「暴落はチャンス」に成り得ます。そうするためには、きちんと投資やトレードを学び、トレーニングを積む必要があります。

今のところ、日本株全体に関しては、引き続き上昇トレンドが続いていくと考えています。しかし、これだけ大きな株価の下落があった訳ですから、調整がすぐに終わると考えるべきではなく、数週間から数か月は続く可能性があると考えています。

この暴落でうまく稼げたのであれば、このまま稼ぎ続けてほしいと思います。

逆に、この暴落がチャンスではなくピンチになってしまっている、もしくはチャンスに変えて利益を上げたい!と思うのであれば、しばらく続くであろうこの調整期間中に、きちんと投資とトレードの違いを理解し、その後に来るであろうアベノミクスの次の波に乗る準備を整えてほしいと思います。

投資の場合とトレードでは、スタンスは異なりますが、日本株にはまだまだ投資魅力が残っています。よく研究・トレーニングをした上で、相場に臨んでみて下さい。

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